鍛造生もと強力80%、記憶に留めたい酒
夜のスーパーに行き、まだまだ鮮度の衰えていない「ハタハタ」を見るとつい手が伸びてしまう、ハタハタ好き。昨晩は、四匹ともに卵を持っていた。痛風親父は一瞬躊躇するも、美味しくいただいた。もちろん発作無し。この、強すぎない、濃すぎないハタハタの旨さ、これをそのまま生かしつつ美味しく酒が飲みたい。
この魚を美味しくいただいた酒は、これまでにももちろん沢山ある。お酒の味わいとこの魚の味わいが調和し、新たな味わいをつくり出す瞬間には何度も遭遇したように思う。
だが、今の(あえて今という。さらなる熟成後にはまた違う感想になるだろうから)「日置桜H22BY鍛造生もと純米強力80%」は、違う形でハタハタの旨みと共鳴する。
この酒は、自分を隠すのである。個性を滅することで、食べ物の個性を際立たせる酒。決して個性がないのではない、自らの色は消し去り、そっと包み込みながら食べ物の味を持ち上げてくれる、そんな極めて強烈でありながら主張はしない個性がある。
これを調和というかどうかは知らない。調和よりもっと高度な現象かもしれない。
先日、とある飲食店さんがこのお酒を扱ってくれた。和食の店。濃い味付けをする店ではないので、特に最適なお酒を選んでくれたと喜んだのだが、たった一本購入しただけで、当店にはまだこのお酒があるというのに次を買わなかった…。たぶん、お店の方はこの良さを分かって下さっていると思う。
だが、化学調味料が味付けの鍵というラーメン屋の「ゆ●や」が潰れないで続いている土地柄だ、この酒のクオリティの高さがわからない、検知不能な人間が多いのだろう。売れなきゃ、どんな良い酒も不良在庫だもんな。。。お気の毒としか言いようがない。
残りは多くはない。
限られた酒屋でしか扱ってないので、いろんなブログで登場することもない。だから、あまり目に留まらない。そんな訳で意識の外にある人も多いのだろうが、飲んでおくことをお勧めする。
”たくさん”からいただいたアボカドの味噌粕漬け。
これを食べるのも、昨晩の晩酌の楽しみの一つだった。
味噌粕漬けということからも想像できるように、これはハタハタとは違った形で味を表現する。つまり、淡い味ではなくはっきりと、「どうだい、この味噌も粕も、うまいだろ~、おまけにアボカドが漬かってるんだぜ」ってどんどん前に出てくる感じ。
こいつは、”今の”鍛造の出番じゃない。それこそ、もっとはっきりした味をぶつけてみたい。
選んだのは花垣調熟純米古酒。
適度な熟成味を出している味噌粕に、負けない熟成味とちょうどいい加減の甘さを合わせることができた。二合ほど残っていた花垣は空になった。
つまみと酒がうまく調和した晩は、寝つきも良い。
by kanzakerakuen
| 2012-10-27 09:22
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